一人暮らしの貯蓄術

一人暮らしをしていると、「生活にかかるお金だけで収入のほとんどが消えてしまう」「お金が貯まらない」という人も多いかもしれません。手持ちのお金でやりくりするのは、大変なこと。でも、貯金の習慣がない、ましてや貯金ゼロというのは、あまりに危険。日々の生活を回すだけでいっぱいいっぱいになってしまうこともあるかもしれませんが、できることなら一歩先の未来に目を向けて、お金の貯まる暮らしに変えていきたいもの。

そこで今回は、一人暮らしによくあるシチュエーション別にお金の使い方を改めて見直し、貯金に回せる余地がないか再検討します。



毎日の食事、どうしてる?

牛丼

手軽で安い外食で済ませてばかりだと、いつか健康に支障が生じることも。体調を崩すと、節約もままなりません

一人暮らしを始めたときは毎日自炊をするつもりだったけれど、忙しいと料理をするのが面倒。一度作らなくなったら、そのままズルズルと外食したり、コンビニでお弁当やお惣菜を買ってくるようになってしまった。健康は確かに気になるけど、牛丼なら1杯280円で食べれて、お腹もいっぱいになることを考えたら、外食の方が節約にはなる気がするんだよなぁ。

■このままでいいの?
最近では外食でも中食でもワンコイン以下で食べられてしまうものが豊富にあり、節約につながるという自炊のメリットも薄れがち。手間暇かけて料理するだけ無駄だと思うかもしれませんが、きちんと計算してみると、やっぱり自炊が貯蓄への第一歩だとわかります。

毎食100円ショップの冷凍食品だけ、一日一食だけで済ますといった無茶な食事でもしなければ、自炊が最も節約的。中食と組み合わせても、外食よりはオトクです。また、自分で作れば、自分が食べているものには何がどのくらい入っているのかがわかるのも◎。外食や中食では栄養などを意識せず、「自分の好物」「すぐにお腹を満たすもの」「手近で食べられるもの」といった、即座に欲求を満たすものを選んでしまい、栄養バランスやメニューも偏りがち。お金をかければ、外食や中食でも栄養バランスのよい食事ができますが、節約と両立させるのであれば、それはなかなか難しいことです。

慣れるまでは大変ですが、自炊生活の第一歩を。さらに、自炊をしたら、外食等との差額分(例えば一食100円ずつ)を貯金箱へ入れるようにしてみては。チリも積もれば……ではありますが、貯蓄の習慣も身につきますよ。

友人関係、お金がなきゃ続かない?

カフェ

オシャレなカフェでおしゃべりは楽しい。でも、それはあなたにとって本当に意味にあるお金と時間の使い方?

友達から「この前話してた○○のカフェに行こう」とのお誘い。この前会ったときに話題にのぼって、それほど興味があったわけじゃないんだけど、つい「行ってみたい」なんて言ってちゃった手前断りににくく、金欠なのにOKしてしまった。彼女のことは好きなんだけど、実家暮らしだから、金銭感覚が違って、一緒に遊ぶと高くつく。こういう誘いが断れなくて、毎月収入いっぱいまで使い切ってしまい、現在貯金はゼロ。このままじゃいけないんだけど…。

■このままでいいの?
誘われるのは嬉しいもの。断るのは申し訳ないし、もう誘ってもらえなくなったら嫌だし…。そんなふうに相手に合わせるばかりで、本当に自分が使いたいことにお金を使えず、貯金もできないなんてことはないでしょうか。

人間関係を続けるのに、お金が必要なことは確かにあります。でも、その度合いが過ぎてしまったり、お金がなければ人間関係が維持できないと考えてしまうのはちょっと問題。いくら友達付き合いのためとはいえ、貯金ゼロの状態が続いていいわけがありません。

金銭感覚は人それぞれ違うもの。特に実家暮らしをしている人とは感覚が大きく離れていることがあり、それはきちんと伝えなくてはわからない場合もあります。お金のことは言いにくいことではありますが、今後も友人関係を続けたいのであれば、金の切れ目が縁の切れ目となってしまうことも。

お金のかかる遊びを控える代わりに、一人暮らしの部屋に招いてホームパーティ・家飲みを提案してみてはいかがでしょう。お店よりずっと安く、しかも気兼ねなく過ごせます。このときも最初から無理をせず、きちんと費用はワリカンにするのが◎。これからの季節は鍋パーティもおすすめです。




おうちデートのお金はどうなるの?

恋人

恋人との金銭感覚の違いは、時に二人の間に微妙な空気を漂わせることも。長く付き合うためには、お互いの考えを擦り合わせておくことも必要

お互い一人暮らしなのだけど、彼の部屋は散らかっているので、二人で会うのはもっぱら私の部屋。会えるのは嬉しいし、彼は残業が多いから私の部屋で待っているのは都合がいい。でも、彼と付き合い始める前に比べると、明らかに食費も水道光熱費も上がっていて、ちょっとモヤモヤ。お金がかかるからと、外でのデートはほとんどないのに。でも、お家で過ごすお金を請求するのってケチと思われそうで、どうなのかなぁ。

■このままでいいの?
恋人ができてハッピー。でも、恋人ができると、デートやプレゼントなど、お金がかかることが増えます。お金をかけずに過ごすこともできますが、あんまりケチケチしすぎることがお互いの恋心に影響を与えることもあり、その微妙なさじ加減が難しいところ。恋愛しながら、冷静にお金を貯めるのは意外と難しいことかもしれません。

ただ、どちらかの金銭的負担が大きいという問題は先送りにしておくと、どんどんと言いにくくなるだけでなく、いつの間にか大きな不満となることも。できるだけ早くルールを作っておいた方が◎。また、もし結婚など将来のことを考えているのであれば、あいまいにせず、お金に対する考え方を話し合う機会を持つことも必要です。

一人暮らしの部屋で過ごすことが増えると、デート代と生活費の境目が見えなくりがち。そこでお互いが毎月一定額を出し合って、共通のお財布を持つというのもおすすめ。デートはもちろん、二人で食べる料理の食費などはそこから出すようにすれば、使いすぎを防げるだけでなく、お互いの金銭感覚を擦り合わせる効果もアリです。

何に使っているんだろう?

財布

お金を使い切ってしまう前に閉じ込めておく。一人暮らしだからこそ、少しずつでもお金を貯める習慣を

食事も自炊しているし、洋服や化粧品もそれほど買っていないし、友達と飲みに行くのも控えている。一生懸命節約しているつもりなのに、毎月お金はほとんど残らず、ちっとも貯金が増えない。収入が少ないから、仕方がないのかな…。

■このままでいいの?
確かに収入が少なければ、お金のやりくりは一層難しく、貯金は難しいもの。でも、収入が少なくても、貯金できている人はいて、少しずつでも継続することでまとまったお金を作っています。何にどうお金を使っているのかわからないまま、お金がなくなっているという人は、貯金をする習慣を作ることが大切。

まずはお給料が入ったら、毎月銀行口座に一定額を自動的に積み立てるようにするなど、自分が頑張らなくても貯金できる仕組みを作っておくのがおすすめ。先取りは貯蓄習慣の基本です。

また、小さな出費を意識してみることも必要です。例えば、ATMの手数料など払わなくても済むお金を払っていないでしょうか。コンビニなどで「100円だから」と小さなお菓子をお金を使ったという意識のないまま、買っていないでしょうか。お財布を開けたときに「それ、本当に必要?」と自分に問いただしてみる習慣をつけるだけでも、無駄な出費が減り、貯蓄につながっていくはずです。