一人暮らしの生活費節約術

一人暮らしでは、今まで家族と一緒に暮らしていたときと比べて、お金の使い道が大きく変わります。初めての一人暮らしでは、「お金の動きがよくわからないので、不安……」と感じることも。学生・社会人に分け、一人暮らしの1ヶ月間の家計簿をご紹介します。

 

一人暮らしはどんなお金がかかる?

 

エアコン
固定費と変動費に分けて、毎月どのくらいのお金がかかりそうか計算してみましょう。家計簿をつけてみるのがおすすめ

一人暮らしをすると、どんなお金がいくらかかるのでしょうか。最初にざっくりと考えておきたいのが、家計には固定費と変動費があるということです。

家賃や水道光熱費、定額のインターネットの接続料など、毎月ほぼ金額が変わらずに出て行くお金を固定費、そして食費や交際費、医療費、携帯電話代など、その月ごとで金額が変わるお金を変動費として考えます。水道光熱費はどのくらい使うかで変動がありますが、昼間職場や学校で過ごす時間が長い一人暮らしの場合、季節や節約でも、それほど大きな差が出てきませんので、ここでは固定費に含むこととします。

収入から固定費を引いた額の中でやりくりするのが変動費。生活が落ち着くまでは難しいかもしれませんが、その中から決まった額を貯金に回すことができれば安心です。その上でどれくらい自由になるお金があるのか、自分でも実際に計算してみましょう。おそらく、多くの人はその少なさにビックリするのでは!? 一度自分で目にしておくことで、お金に対する意識がかなり変わるはずです。

一人暮らしの家計簿 新社会人編

 

社会人収入
初任給の平均から実際の手取額を計算します。社会保険料・所得税等の計算はあくまで目安であり、正確なものではありません。ご了承ください

厚生労働省『平成21年度賃金構造基本統計調査結果(初任給)』によると、大卒の初任給の平均は19万8800円となっています。これは社会保険料や所得税等を含む総支給額ですので、実際に自分が受け取る手取額は少なくなります。企業によっては住居等の手当てや残業代などがあり収入部分が増えることがある一方、その他に企業ごとの積み立てなどが天引きされることがあります。

給与からは住民税も天引きされることもありますが、前年度の所得に対してかかるので、前年度に収入がなければ、社会人1年目はかからないことがほとんどです。ただし、翌年からは支払わなければならないと認識しておきましょう。 残業代などで一時的に収入が増えることもありますが、生活費としてはそれをあてにはせず、やりくりするようにしましょう。

○ … 固定費  △ … 変動費
 

※クリックすると、拡大して見られます

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ここで紹介したのは生活に最低限必要となってくるお金ばかりで、この家計簿で実践できれば、かなりきちんとお金の管理ができるしっかり者です。1万3000円も余裕があると思うとかもしれませんが、「CDが欲しい」「雑誌が読みたい」「外食しちゃおうかな」なんて油断すると、すぐに赤字になってしまう金額です。

その他にも、会社に着ていくスーツなどを購入するための被服費や、メイク用品などの美容費、病院にかかった場合は医療費などがかかることもあります。健康なときにはなかなか考えにくいかもしれませんが、急な病気や怪我などで入院することもあります。そのときの費用や、働けない間の収入を一部でも支えてくれるような医療保険に加入していると安心です。

一人暮らしの家計簿 学生編

学生収入
仕送りと奨学金、アルバイトの平均を合計し、学生の1ヶ月の収入の目安とします
全国大学生活協同組合連合会が2009年に行った『第45回学生生活実態調査』によると、一人暮らしをする学生の親からの仕送り額は月平均7万4060円となっています。その他、奨学金やアルバイトを含めた平均収入は12万5580円。近年の不況により、仕送りの額は年々減少しており、学生の一人暮らしのお財布事情はかなり厳しくなっています。住んでいる地域にもよりますが、奨学金やアルバイトで補わないと、家賃や光熱費、食費など最低限の生活をするだけでも厳しいようです。

勉強が本分である学生にとって収入を増やすことは難しいので、家賃の安い物件や学生・学生会館などを探すなど、固定費の部分を抑える必要があります。風呂やトイレの設備が共同であったり、門限や外泊の制限があったりして不便もあるかもしれませんが、自分の稼いだお金だけで生活できるようになるまではちょっと我慢が必要です。

○ … 固定費  △ … 変動費
※クリックすれば、拡大して見られます

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ちょっと油断して使いすぎれば赤字になってしまうギリギリの家計簿です。楽しい誘惑に乗っているうちに、気がついたらお財布がスッカラカン……ということのないようにお気をつけて。

また、学生だから貯金をしなくてもいいと思うかもしれませんが、急にお金が大きく必要になることもあります。例えば、夏休みに友人たちと海外旅行に行く話が持ち上がっても、「自分だけがお金がなくて参加できない!」なんてことも。いざというときに困らないよう、ある程度のお金はきちんと貯めておきましょう。